特殊清掃とは、
一般的には孤独死、孤立死、事件や事故、自殺等の変死現場といった
人目につかず遺体の発見が遅れたことにより、ご遺体が腐敗や腐乱し室内の床や壁に深刻な損傷を受けた箇所の原状回復、原状復帰を専門としている。
業界用語で特掃(とくそう)とも呼ばれる。
一般の清掃業者、不用品回収業者では処理することのできない室内の体液の除去、害虫駆除、体液が付着した遺品の撤去支援、除菌消臭作業、腐食してしまったフロアなどの解体工事、原状回復工事を行う専門業者のことを特殊清掃業者と呼び、弊社【特掃屋クリーンマイスター】もその道のプロ集団である。
しかしながら、現場の第一線に立つ私共にとって
「作業をすることだけが特殊清掃という業種なのか?」
と質問をされればそうではないと私共は答えます。
悲惨な現状を目の前に、私達特殊清掃員に何ができるのか?
そこで、今回は特殊清掃とはどういった業種なのか私共の目線からお話をさせて頂きたいと思います。
遺体発見からご依頼までの流れ
特殊清掃員が現場へ急行する際には、遺体の発見後警察や消防が搬出作業を終えているケースが殆どです。
依頼者様はご遺族やその部屋の大家さん・管理会社様といった方たちで、現場の多くは近年数を増やしてきている【孤独死】の現場が多いことも特徴的です。
遺体発見からご依頼までの流れを私共の経験から細かく記載して行きましょう。
無断欠勤や連絡が取れない
「すみません、○○と連絡が取れないのですが、、、」
会社勤めをされている方の多くは無断欠勤が長く続く、電話やメールをしても繋がらない
返信がないといったこと等から不審に思った会社側が親族に連絡を取り発覚するといったケースがあります。
また、遠方で暮らす親族の方が連絡が取れない為管理会社へ確認の依頼を行い発覚するといったケースもとても多い事例となっております。
近隣住民からの通報・異臭が漂う
「○○号室から物凄い臭いがして、、、」
同じアパートに暮らす住民による通報もとても多いです。
死後数日~数か月を過ぎた遺体は腐敗し始め、強烈な臭いを放ちます。
それだけでなく、腐敗した身体には蛆(うじ)が沸き始め肉体を餌としてハエへと成長し大量に繁殖することからもアパート共用部にハエや蛆を見かけたり、凄まじい異臭がするなどといった理由で警察や管理会社に通報され発覚するケースがとても多くなっております。
人の身体が腐敗するのに時期によっても異なりますが、3日以降からといわれています。
したがって、それよりも腐敗進行が早い梅雨場や夏場などが発見がはやく特殊清掃が最も依頼の多い時期だと言えるのもその一つです。
特殊清掃業者へ依頼
「先日、一人暮らしの母が亡くなっているのが発見されて死後数日経過していると言われまして、、、」
亡くなられた方の身内の方から連絡を受けた際、依頼された方は初めてのことで何をどうしたらいいか分からないことが大半の為、特殊清掃員が警察署へ赴くことも珍しいことではありません。
発生現場の物件を所有する大家さんや不動産管理会社の方からの依頼ではまずは特殊清掃員が現調へ行き発生箇所の特定、臭気レベルの確認、近隣住民への公害防止処置などを行います。
そして、写真などで現場の状況を報告させていただきます。
要望が無い限りお部屋の状況により感染リスクを伴う為、依頼者様が現地へ行き立ち会うことなどはありません。※後述
孤独死
特殊清掃を業務としている者にとって切っても切り離せないワードが【孤独死】です。
一人暮らしの方が多く自宅等で無念にも、誰にも看取ってもらえず最後の時を迎えてしまった後に発見される死のことを日本ではそう呼びます。
突発的に起こる発作や持病などによりどういった最後を迎えるのか、想像するだけで胸が痛くなる思いであります。
孤独死と孤立死
誰にも看取ってもらえず最後の時を迎えてしまった後に発見される死のことを孤独死と呼ぶのであるならば、類似言葉である孤立死とは何か?
孤立死とは、家族や地域社会との交流が客観的にみて著しく乏しい状態の方が亡くなった場合のことを指すと言われております。
このように、言葉の大きな違いは亡くなられた時の故人の状態にあるといえるようです。
社会問題化
近年社会問題ともなっている核家族化・疎遠化などによりお一人で暮らす方が増えてきている一方で、高齢化といった問題も【孤独死・孤立死】問題に拍車をかけている要因の一つと考えられています。
現在日本では一人暮らしのお年寄りの数は600万人ほどいるといわれ実際、私共の入る現場でも一人暮らしの高齢者が亡くなられているといったことも多いというのが現実です。
そのほか、程度の差こそあれ自分自身の生活や行動を管理できない状態に陥った「セルフネグレクト(自己放任)」と呼ばれる【ゴミ屋敷】に住まわれている方がいるのも【孤独死・孤立死】に多いと現場から見て取れるといえます。
上記二つの点で共通しているといわれるのは、地域とのコミュニティが不足していること。
苦痛を心身ともに抱えて追い込まれながら生きている人が、SOSを発信できない、近隣が察知することができないといった実情が垣間見えるといえます。
この他にも、災害などで被災された状況など多くの要因がありますが、この日本で誰にも看取られることなく亡くなられている方が年間30000人にも上るといったことが社会問題化されています。
特殊清掃
私共が現場に入る際必ず行うことがあります。
それは、手を合わせて故人のご冥福をお祈りすることです。
私共特殊清掃員が亡くなられた方の「最後の場所」に入るということは、故人に敬意を払うことを決して忘れてはならないこと。
亡くなられた方が安らかに天国へ旅立たれることを祈ることなのです。
特殊清掃装備
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現場に到着すると、特殊清掃員には必ず身につけなければならない物がいくつかあります。
まずは、防護服と防毒マスク。
孤独死現場には人型に広がった体液や皮膚や髪の毛、肉体を餌とした蛆やハエ、空気中には死臭などといった多くの感染リスクと隣り合わせとなる為、自分自身の身を守るためにも必ず身に着けます。
次にビニール手袋やスクレーパー。
ビニール手袋は手を防護する為、スクレーパーは薬品で凝固した体液などを手作業で取り除くのに使用されます。
この他にも、現場の状況によって装備を増やして業務に取り組んでおります。
近隣への配慮
現場入りすると、まず発生箇所の除去を行います。
体液などの取り除きや付着した畳などの撤去支援を行うのですが、当然外に運び出さなければなりません。
そういった際最も注意しなければならないことが、近隣住民の目に触れないようにすること。
目に入れて気分のいいものでは決してありません。
その為、目隠し用のシートを使い作業員同士が連携をとって搬出するといったことを行っております。
除菌・脱臭
施工内容は伏せさせて頂きますが、私共は専門知識と豊富な経験から業務に取り組んでおります。
その為、一般では取り扱っていない特殊な薬剤や機械を使用し空間に漂う臭いや菌を除菌・脱臭を繰り返し実施していくのです。
命の危険を伴う作業
先述した通り、特殊清掃が多い季節は梅雨や夏場といった時期です。
近隣に迷惑をかけられないことからも、換気はせず室内は閉め切った状態で作業を行う為、夏場などでは室内温度50°にも及ぶ環境で特殊清掃員は臨んでおります。
そんな中、室内の重量物を階段を使い搬出するといったことを行わなければなりません。
熱中症、脱水症状にも気を配りながら作業を進めていかないと特殊清掃員の命に関わることになり兼ねない事態に陥ってしまいます。
臭気確認
数々の施工を施した後、特殊清掃員は体液が付着していた箇所の臭気確認を実施致します。
その方法とは、発生箇所に鼻を近づけて臭いが残っていないかを何度も、何度も確認します。
臭いが残っている状態で施工を終了することなどは絶対にありません。
ご遺族に寄り添う
特殊清掃を行う中で、故人の遺品整理も同時に行います。
故人の思い出の品、形見をご遺族に届けることも私共特殊清掃員の使命であると考えております。
届けた遺品を眺め、悲しみに暮れるご遺族の背中を見ていると胸が締め付けられる想いであります。
「とても助かりました。本当に、ありがとうございました。」
このお言葉を頂戴するだけで私共の心は満たされます。
弊社代表及川の言葉に、
「私たちはみんなの笑顔のために、困っている人の解決へのお手伝いを、私たちはひとりひとりが家族になった気持ちで思いに寄り添い大切な思い出を整理します。
【何事にも前向きな自分に 希望が溢れた未来】
これからの特殊清掃業者は、悲しみにくれた人達にも元気、希望を与えることのできるだけの影響力を持つ特殊清掃屋さんになっていかなければいけないと思っております。」
このように特殊清掃とは、ただ作業のみを淡々とこなしていくのではなく故人の最後の居場所の整理、天国へのお引越しのお手伝い、残されたご遺族に寄り添い、必要とされている方たちのお力添えになることも特殊清掃という業種の使命であると考えております。
弊社特掃屋クリーンマイスターも技術のみならず、心身ともに日々精進していく所存でございます。