この記事では、ご自身で腐敗臭や死臭を消す方法を解説しています。
腐敗臭・死臭は、ハウスクリーニングとは異なり、一般に販売されている消臭剤などで消えることはありません。
そのため、この作業は特殊清掃業者に依頼するメリットも大きいです。
腐敗臭・死臭とは?どんな臭い?
|腐敗臭・死臭とは
体内に潜む細菌は、生存しているあいだは免疫作用があり増殖することはありません。
しかし細菌は、死亡して免疫作用がなくなると遺体を分解し腐敗させます。
この腐敗の過程で発生する臭いが死臭や腐敗臭です。
腐敗臭や死臭は、夏場なら2、3日、冬でも5日程度で広がります。
|どんな臭い
腐敗臭や死臭の臭いは、日常生活では嗅ぐことのない異常な悪臭と言えるでしょう。
具体的には、「チーズや生ゴミが腐った臭い」「クサヤが腐敗した臭い」と表現されることが多いようです。
発酵食品が腐った時の臭いに例えられますが、実際にはそんな優しい臭いではありません。
一般的に「臭い」と言われる臭いの数百万倍の濃さと言われています。
このような死臭・腐敗臭は、どうやって消すことができるのでしょうか。
腐敗臭・死臭を自力で消す方法
腐敗臭・死臭を、特殊清掃業者に依頼せず、ご自身で消す方法をご紹介します。
① 遺品整理
消臭作業に入る前に、まず室内の遺品の整理を行います。
室内に家具や遺品が残された状態では、しっかりと消臭ができないためです。
害虫の発生がひどかったり、臭気が強い場合には、感染症の恐れがありますので、遺品にも殺菌・殺虫作業を行います。
ゴミが散乱している現場も多いのですが、室内に残された物品は故人の遺品です。
大家さんや管理会社など、第三者が勝手に処分することはできません。
遺族や相続人と事前に相談し、遺品として残すもの、廃棄するものを決めておきましょう。
親族や保証人と連絡が取れなかったり、責任を放棄をしている場合も少なくありません。
そのような場合には、本来であれば法的手続きを踏んだ上で対応する必要があります。
しかし実際には、腐敗臭や死臭のする現場を長期間そのままにしておくわけにいかないため、現金・貴重品・遺品と思われるもの以外は、処分せざるをえないのが実情です。
② 殺虫と消毒
つぎに、市販のスプレーなどで、部屋中の殺虫と消毒の作業をおこないます。
腐敗臭のある部屋には、ハエやゴキブリなどの害虫が、驚くほど大量に飛び回っています。
まずは、市販の殺虫剤を噴霧します。
つぎに、感染症対策として、殺菌消毒剤を噴霧します。
殺菌消毒剤は、安定化二酸化塩素や塩化ベンザルコニウムが有効です。
園芸用の噴霧器などで散布します。
いずれも、ドラッグストアやホームセンター、ネットでも購入可能です。
なお、殺虫消毒剤は、人体に悪影響を及ぼすことがあります。
使用方法をしっかりと読み、使用してください。
感染症対策として、防護服の着用を強くおすすめします。
ホームセンターなどで使い捨ての防護服が販売されています。
また、ネット通販などでも購入可能です。
腐敗臭がひどい場合には、防臭マスクも必要でしょう。
防臭マスクとは、塗装現場用などに使用されているマスクのことです。
臭いを吸着させる吸収缶をマスクにセットして使用するものです。
防臭マスクがあれば、作業中の腐敗臭はほとんど気にならなくなります。
防臭マスクも、ホームセンターやネット通販で購入できます。
③ 消臭や脱臭
殺虫と消毒が終わったら、本格的に消臭作業をはじめます。
消臭剤には、アンチダメージビーズ消臭剤や液体消臭剤のコロン消臭バスター、粉末状のコロンパウダー、気体消臭剤のコロンタブレットなどが有効です。
いずれも市販されています。
④ 拭き取り
消臭後、部屋に残った血液や体液、汚物などの拭き取りを行います。
腐敗臭の原因は、腐敗した人体の脂分です。
肉眼では汚れを拭き取ったように見えても、目に見えない匂いの分子が拡散し、部屋中に付着しています。
窓ガラスや柱、トイレ、ユニットバスなど動かせないものは、しっかりと拭き取ることが大切です。
油用洗剤などを使用すると効果的です。
また、床材や壁のクロス、石膏ボードなどは拭き取っただけでは匂いが消えませんので、はがしてしまいます。
そして、壁材・床材をはがしたあとの下地面の臭いも確認します。
臭いが少しでも残っていると、再びハエなどの害虫が繁殖しますので、できるだけ広範囲に撤去することが大切です。
⑤ 確認と再消臭
拭き取り作業をしっかりとおこなえば、かなり臭いが気にならなくなると思います。
それでも臭いが気になる場合には、安定化二酸化塩素や塩化ベンザルコニウムを再度散布します。
死臭や腐敗臭は、想像以上にしつこいものです。
肉眼で見て汚れがとれたように見えても、目に見えない匂いの分子が部屋中に拡散し、壁や天井、床などに付着していることが少なくありません。
作業から一週間程度時間を置いて再度確認し、臭いが残っていたり、ハエが発生している場合には、再度消臭作業をおこなう必要があります。
ハエは、微量の臭いでも集まってきますので、その後ひと月程度は定期的に確認するのがよいでしょう。
特殊清掃業者の腐敗臭・死臭の消し方
特殊清掃業者が腐敗臭や死臭を消す場合も、紹介した手順と変わりありません。
しかし、上記の「④拭き取り」の作業の内、床材や壁のクロスを剥がしたり、床下を確認したりする作業は、一般の方では難しいです。
特殊清掃業者なら、専用の工具を使い、短時間でおこなうことができます。
また、特殊清掃業者の場合、部屋を隈なく脱臭できるオゾン脱臭機を使用するため、死臭をしっかりと取ることができます。
オゾン脱臭機とは、生ゴミ・カビ・人の体臭・排出物・下水など、生物に関係した臭いに有効なオゾンを放出することで脱臭をおこないます。
特殊清掃業者に依頼するメリット
紹介しましたように、消臭・脱臭作業はご自身でも可能です。
しかし、慣れない臭いや現場の惨状を目の当たりにすると、ご自身で作業することは現実的ではありません。
また、廃棄物を処理する方法や感染症対策、近隣住民への配慮など、日常生活では気づかない注意点も多い作業でもあります。
たとえば、特殊清掃業者なら、清掃のプロであるだけでなく、地域ごとに異なるごみの分別やリサイクルについても熟知しています。
また、解体作業やリフォームについて相談できます。
ワンストップでさまざまな業務を依頼することができるため、手間や費用面でもメリットがあります。
そして、特殊清掃業者なら、作業にあたって近隣住民への配慮も行うことができます。
腐敗臭や死臭が発生すると、賃貸アパートやマンションは事故物件として噂が広まります。
管理会社や大家さんにとってダメージが大きいことから、特殊清掃業者としても被害を最小限に抑える対応が必要です。
近隣にまだ知られていない場合には、居住者の出入りが少ない時間帯を中心に作業を行います。
しかし、腐敗臭は臭いが強く近隣からクレームが来るなど、現場が知られてしまうことも少なくありません。
そのような場合には、特殊清掃業者が作業計画や消臭方法などを誠実に伝え、近隣住民の理解を得ることも業務の一つです。
また、近隣住民の安心を得るために、お坊さんに部屋のご供養をしてもらうこともあります。
このように、数字や実績として現れない配慮ができるのも、特殊清掃業者ならではメリットと言えます。
腐敗臭・死臭消しを特殊清掃業者に依頼するなら
この記事では、ご自身で腐敗臭や死臭を消す方法や特殊清掃業者に依頼するメリットについて解説しました。
感染症などのリスクやコスト面からも、特殊清掃業者に依頼することをおすすめします。
腐敗臭・死臭除去は、特掃屋クリーンマイスターにお気軽にご相談ください。
遺体現場処理、遺品整理、ゴミ屋敷(ごみ部屋)でお困りなら、ご依頼ください!